長谷川 社労士・行政書士事務所

特定社会保険労務士の業務

所長: 長谷川 武好

社会保険労務士に「特定」が付くと何が違う?

いわゆる「1号業務・2号業務・3号業務」の3つが社会保険労務士の主な業務ですが、特定社会保険労務士は、これらに加えて「紛争解決手続代理業務」を行うことができます。

長谷川 社労士・行政書士事務所は、
社会保険労務士に次いで、
特定社会保険労務士の資格も取得しております。



紛争解決手続代理業務とは?
  • 個別労働関係紛争について厚生労働大臣が指定する団体が行う裁判外紛争解決手続の代理を行うこと(紛争価額が60万円を超える事件は弁護士との共同受任が必要)
  • 個別労働関係紛争解決促進法に基づき都道府県労働局が行うあっせんの手続の代理を行うこと
  • 男女雇用機会均等法、育児・介護休業法及びパートタイム労働法に基づき都道府県労働局が行う調停の手続の代理を行うこと
  • 個別労働関係紛争について都道府県労働委員会が行うあっせんの手続の代理を行うこと

※これら代理業務には、依頼者の紛争の相手方との和解のための交渉及び和解契約の締結の代理を含みます。
つまり特定社会保険労務士は、不当解雇、賃金不払い、セクハラ・パワハラ、いじめなどの個別労働関係紛争について、裁判をせず「話し合い」によって、トラブルを解決するという「あっせん手続」ができるのです。
「あっせん」により、争うことなく和解による解決に向けての話し合いが行われるため、時間と費用がかかる裁判よりも比較的利用しやすい制度です。したがって社会保険労務士と特定社会保険労務士の違いは、「紛争解決手続代理業務」が行えるか否かの違いになります。

特定社会保険労務士となるには
特定社会保険労務士となるには社会保険労務士登録を受けている者が 厚生労働大臣が定める司法研修(特別研修)を修了し、紛争解決手続代理業務試験に合格しなければなりません。社会保険労務士名簿に紛争解決手続代理業務試験に合格した旨の付記を受けると、特定社会保険労務士の業務を行うことができます。
特定社会保険労務士資格の現状と今後

特定社会保険労務士は、紛争解決代理業務に従事することのできる社会保険労務士であり、資格としての位置付けはあくまで業務拡張に伴う付記資格です。
ただし、付記に際し厚生労働大臣が定める研修を経て紛争解決手続代理業務試験の合格が求められる為、労働法規に精通した社会保険労務士と言えます。 ただし現状では、紛争解決のニーズが高まる一方で、代理業務自体は一部の実務家に集中しているのが現状です。

社会保険労務士の中には、「年金業務」に特化したり、「給与計算、社会保険・労働保険事務処理業務」に特化している方々も多く、あえて資格取得を行わない方々もおり、紛争自体を敬遠する方々もいて、隣接士業の認定司法書士ほど取得率が上がっていません。
しかし最近労使間トラブルの未然防止とリスクマネジメントとに備え、 企業内で労務管理に専業従事する勤務社会保険労務士に資格取得を奨励する企業も増えています。

今後は更なる司法的な側面から労使間トラブルの解決、未然防止に尽力することで社会に貢献することが求められます。

社労士の業務は、社労士法2条が規定しています。
そして、社労士法2条は業務内容を1号から3号で分類しています。
つまり、「〇号」というのは「社労士法2条」の条文の番号が由来になっています。

1号・2号業務は、社会保険労務士の独占業務
社労士以外の者が報酬を得て行った場合、罰則も用意されています。

1号業務とは

労働社会保険諸法令に基づいて、行政機関等に提出する申請書、届出書、報告書、審査請求書、異議申立書、再審査請求書その他の書類(電磁的記録を含む)を作成すること
これらの書類を作成することはもちろん、その書類の提出代行、事務代理もあわせて1号業務です。
事務代理は、本人に代わって意思を伝えることができる権限ですので、経営者に代わって主張や陳述のサポートを行うことが出来ます。

例えば、
株式会社が労働者を雇った際、企業は雇用保険被保険者資格取得届をハローワークに提出しなければなりません。この届出がなされていない場合、労働者が失業した際に本来支給されるはずの保険給付が行われず、労働者に不利益をもたらす恐れがあります。そのため、保険の書類を作成する必要があります。
しかし、「労働・社会保険」に関する書類は種類が多く、しかも法改正が頻繁に行われます。そこで、社労士が会社に代わって専門的な知識を生かして書類を作成します。

2号業務とは

労働社会保険諸法令に基づく帳簿書類(電磁的記録を含む)を作成すること

企業は、法律に基づいて就業規則、労働者名簿、賃金台帳という3つの帳簿を作成しなければいけません。
この帳簿の作成には専門的な知識や経験が必要で、誰でも作成することはできません。
特に就業規則は企業で働いている人にとって大きな関心があり、これが正確に記載されていないと労働者を十分に保護できません。
そのため、専門的知識を持つ社労士によって正確な帳簿を作成することができます。

3号業務とは

3号業務は、労務管理や社会保険に関する相談に応じ、又は指導をすること、「労働関係のアドバイザー」です。
3号業務はコンサルティングとなっています。

例えば、
都道府県労働局長により最低賃金が引き上げが決定された時、パート・アルバイトの賃金が最低賃金を下回ってしまった場合、賃金の引上げを行うように指導します。
また、開業したばかり会社では労務管理や人事評価のノウハウが乏しいことが多いです。社労士は数多くの法律を知り、企業の相談をする中でノウハウを得ていきます。そのため、必要な労務管理や人事評価を答え、企業の発展を手伝うこともできます。
社労士は企業と労働者両者の立場から必要とされる人材であり、社会全般に対して深くかかわる仕事といえます。
業務の効率化を図り、企業を発展させるには社労士の存在が不可欠であります。

労務士の仕事